2012年3月28日水曜日

りずむ。

わたくしは、職人の父と音楽教師の母を持っている。
小さなころから、本を読むよりも早く、
楽譜を読むことを教えられた。
家の本棚には楽譜が入っていた。

幼稚園はリズム教育に重点を置いている所に入り、
裸足に半そでに短パンで駆けずり回るような
五感を大切にする教育をうけていた。

それから、すっとピアノを弾いていたり、
中学校からギターを弾いてバンドをやっていたり、
今では、ブルースギターを弾いて歌ったりしている。

多くの人間関係を音楽で得ている。

それと関係あるのか知らないけれど、
私は、音楽との関わり方で、一定程度その人が理解できると思っている。

人間は、社会的な存在なので
置かれている環境に合わせて変化しないといけない。
変化する時の精神というのは、風にふかれるようにゆらっと揺れるもので、
ゆれながら、定位置を探す。
だから、心の不安定なとき、それは心が成長する一歩手前。
そして、
心の変化は一瞬にしてなされるのではなくて、
一定のグレーの時間を含むのだと思う。

心が変わる時の感覚は、音楽に身をまかすような感覚に似ている。
聞こえてくるものに対して、注意をむけると
自然と体がゆれる、ゆれている間にリズムに合わさってくる。

「音を聞いて、それに合わせないといけない」
というように、リズムをとる人がいるけれど、
意識的に情報を処理して、身体を動かしているのであって、
これはとてもストレスのかかること。
こういう人は心の成長に鈍感で、他者の心を感じるのも苦手になってくる。

音と身体をリンクさせるのが重要であって、
それが手であれ腰であれ、表打ちであれ裏打ちであれ、
なんであれリンクしていればいいのである。頭で考えてはいけない。
最近4つ打ちの音楽が流行るけれど、あれらのように
揺れることを許さない音楽が増えていることは、
心の揺れとその動きまでも自由にならないようになっているようで、
私としてはさみしいのである。

黒人音楽が好きという人は、
この揺れが好きなのだと思う。
黒人が歩くときのリズムは常に揺れている。
不条理な奴隷としての待遇をしなやかに受け流してきた、歩き方。
地面にかかとをつける。
アタックのあとに、振り子がふれるように、
バウンドしてけり出す。
振り子のように揺れながら、やりにくい状況の中でも
心のおさまる所をさがして
揺れながら進んでいく。

リズムと自分をリンクできる人は、しなやかに環境を受け入れながら
心も変化させることができる。
こういう人はどんどん強くなれるし人間的に魅力を増していく。
他方で、それを意識的にしかできない人もいる。
これは今の社会の根源的な問題にもつながっている。
詳しくはまた。

各人がどちらの人間なのか、
というのを、見極めることができる。
方法は秘密。

あなたはどちらでしょうか。